「うんちは大切」深読み考察
- 2024.07.04
- 作詞・作曲
今回は赤く熟したトマトたち初期のオリジナル楽曲「うんちは大切」の歌詞を深く考察します。
まずは歌詞の全体を読んでみて下さい。
「うんちは大切」
何もやる気が出ないや
前まではよく出てたのに
いつからだろう出なくなったのは
飯も食わずに過ごしていた日々
この頃うんち出ないや
前まではよく出てたのに
いつからだろう出なくなったのは
早くしないと手遅れになるぜ
俺は痩せていったけど うんち出ないや
体は軽くなったのに 頭はクタクタ
今こそ失った全てを取り戻すんだ
始めよう うんち出すことで
新井氏によって作詞されたこの曲は「うんち」というパワーワードによって、ともすればふざけた歌、コミックソングといった印象をもたれがちですが、果たして本当にそうなのでしょうか。新井氏が真に伝えたかった事は何なのか、それを今から深堀りしつつ考察していこうと思います。
では早速センテンスごとに紐解いていきましょう。
何もやる気が出ないや
前まではよく出てたのに
この曲を作った当時の新井氏は、精神的にダウンしており、無気力な毎日を過ごしていたと記憶しています。
楽曲の冒頭で、かつては活力に満ち溢れていた過去の自分と、現在の無気力な自分との対比を描写しています。「やる気が出ない」という言葉で現在の自分のダウン状態を嘆いています。精神的なエネルギーが枯渇し、以前の自分とは大きく変わってしまった、過去の自分とのギャップを強調しているのです。
いつからだろう出なくなったのは
飯も食わずに過ごしていた日々
鬱状態が始まった時期を振り返り、その原因、あるいは結果として食事を疎かにしていたことを述懐しています。食事を摂らないことは、心身の健康に悪影響を及ぼし、精神的な落ち込みを助長する要因ともなります。「飯も食わずに過ごしていた日々」は、自己管理ができなくなった鬱状態の自分自身を象徴しているのです。
この頃うんち出ないや
前まではよく出てたのに
同じフレーズの中の一部の文言を変えて繰り返すことにより、再び現在の無気力な状態と過去の自分との対比を強調しています。
「うんち」という言葉は、もちろん文字そのままの意味ではありません。字面通りに読み進めてしまうと新井氏が伝えようとしている本来の意図から外れていってしまうでしょう。
この曲での「うんち」は、「精神的な重荷」のメタファー(隠喩)であり、鬱状態における無力感や絶望感そのものなのです。
「うんち」は、心の中に溜まったネガティブな感情やストレス、鬱屈した思いの象徴で、同じような悩みを抱える人たちの見えない心の重荷を表現し、その重荷を抱えたままでは健全な精神状態を保つことが難しいと嘆いているのです。うんちを出すことは、心の中に溜まった重荷を解放することなのです。
いつからだろう出なくなったのは
早くしないと手遅れになるぜ
ここでは鬱状態が長引くことの危険性を警告しています。精神的な問題を放置すると、さらに深刻な状態に陥る可能性があるため、早急に対処する必要があるというメッセージです。ここでは新井氏の内なる声が、自己を奮い立たせる一種の呼びかけとして機能していると言えます。
俺は痩せていったけど うんち出ないや
体は軽くなったのに 頭はクタクタ
ここでは、外見上の変化と内面の疲労感の対比が描かれています。体重が減少し、見た目は健康的に見えるかもしれないが、精神的には疲労困憊している状態を表現しています。鬱状態が身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも深刻な影響を及ぼすことを自らの経験を通して切実に訴えています。
今こそ失った全てを取り戻すんだ
始めよう うんち出すことで
最後に、失われた生きるための力や、精神的な安定を取り戻すための決意が示されています。ここでの「うんち出すこと」という言葉は、心の重荷を取り除き、新たなスタートを切ることの象徴として用いられています。ネガティブな感情やストレスを解放し、心を浄化し、心に溜まった重荷を解放すればいい。重すぎる荷物なら降ろせばいいのだと。新井氏はこの楽曲の結論部分で、自己再生と希望のメッセージを強く打ち出しており、聴く者に勇気と希望を与える力強いフィナーレとなっています。
総じて、この「うんちは大切」は、鬱状態からの脱却をテーマにしており、「うんち」というユーモラスなメタファーを通じて、心の中に溜まったネガティブな感情やストレスを解放することの重要性を訴えています。世の中全体に対する絶望感や無力感も含ませながら、その中でも自己を癒し、立ち直る力を見つけることができるという希望のメッセージが込められています。
軽妙な表現と深刻なテーマの見事なバランスを保ちながら、聴く者に深い共感と気付きを与える歌詞の表現こそが新井氏の真骨頂であり、これにより精神的な健康の重要性を再認識させ、心の重荷を降ろして鬱状態からの回復への希望を描き出すこの楽曲は、多くの人々にとって励ましとなり、前向きに生きるための勇気を与えます。新井氏が新しく解釈した「うんち」という概念は、この先も人々の心を癒やしながら、未来永劫語り継がれていくことでしょう。
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